あなたはビュッフェを 私は女中

 

私が現在住んでいるアパートの玄関前の外廊下は、夏という時期に限らずいろんな虫が飛び交っています。

蛾とカメムシがほぼ常駐で、蝉が夏限定で蛍光灯下の壁に激突を繰り返しているのです。

(出勤するときにセミファイナル横を恐る恐る通るのはもはや風物詩)

なので帰宅するときは、まるでSWAT部隊のようにドアを機敏に開けて屋内に入らなければなりません。

 

そんな外廊下ですが、ある時設置されているメーターボックスの下に変な土が溜まっていることに気づきました。

ここは二階なので、誰かが土いじりをしない限り土がくることはありません。

私は特に気にも留めず(そして掃除もせず)そのままにしました。

 

つい最近、なんとなく蛍光灯の周りにべったり張り付いている蛾を見上げていたら、この子を発見しました。

 

 

白ピンクのイモリちゃん。

蛍光灯の光をつるんと照り返す色白のかわいい子です。

 

かわいいねぇと見ていると(そしていつこっちに襲い掛かってくるか怖がっていると)このイモリちゃんは、光に夢中な蛾を優雅に捕まえて食べはじめました。

 

野生生物はこう、ビャッと素早く獲物を捕まえるイメージあるじゃないですか。

生きるか死ぬか、弱肉強食のシビアな世界なので。

でもイモリちゃんは「あら、おいしそう」と首をぬーっと伸ばしてぱくりと食べたのです。

 

イモリちゃんはその日以来、日替わりベストポジションで食事をしています。

今日は蛾、今日はカナブン、今日は昨日私が仕留めておいた半殺しのゴキブリ・・・

 

連日この廊下に現れるということは、イモリちゃんはここに住んでいるのでは?と思いました。

そして思い出したのです。

メーターボックスの下にあった土を。

 

たぶんあの土はイモリちゃんのウンチでしょう。

そしてメーターボックス裏がイモリちゃんハウスなのです。

暖かい家と食べ物完備された完璧なポジションじゃないですか。

(衣は着てないので除外)食住を備えているなんて、ここは2階建ての築年数私と同い年のアパートですが、

イモリちゃんにとってはタワマンと同等といっていいでしょう。

 

イモリちゃんは本当に良い物件を見つけたと思います。

うんちも掃除してくれる女中(私)がいるし・・・。

 

もしかしてイモリちゃん、私よりも良い生活しているんじゃないかな?