雪の思い出

 

私が通っていた高校は箱根の山の中にあり、雪が降る季節になると真っ白な雪景色を眺めながら登山電車で通学していた。

…というのは思い出補正で、実際はその日の小テストの付け焼刃勉強や友達同士のおしゃべりに夢中だった。

今思うと勿体ない通学の仕方をしてしまったと思う。

 

 

教室の窓のすぐ下は屋根になっていて、そこに積もった雪でいろんな遊びをした。

 

ある日、クラスメイトの一人がかき氷シロップを持参してきたことがある。

家庭科の授業があるわけでもないのに。

クラスメイトは満面の笑みで、窓からそれをぶちまけた。

白い雪がカラフルに染まり、きれいで、おいしそうだった。

 

サムネイルでお察しがつくと思うが、その場にいた人間はその雪を食べた。

その中に私もいる。

ふわふわした雪はかき氷よりもおいしかった。

 

授業中、板書を書き写している間に教師が窓の外を見た。

絵具で遊んでいたの?というので「かき氷シロップ。美味しかった」と素直に答えた。

あの時の教師の反応は面白かった。

お菓子を持ち込んではいけない校則があったが、シロップそのものは校則に触れないのかお咎めはなかった。

そもそも、雪にシロップかけて直食いすることがイレギュラーすぎたのかもしれない。

 

つい最近、ユーチューブで「雪を解かしたらどんなゴミが出てくるか」という動画を見た。

雪解け水は顕微鏡で見なくても思いっきり汚かった。

雪は空気中のごみを核にして結晶化するのだから当然だ。

小学生でも知っている。

 

でも食品には様々なリスクが伴うもの。

私たちは残留農薬、生物濃縮、遺伝子組み換え…挙げたらきりがないリスクと共存しながら食生活を楽しんでいる。

食事に限らないが自分で考えて選択し、自分の答えを持つのが大切なのだ。

 

とカッコイイこと書いたが雪はまず食べ物ではないし、リスクしかないから食べちゃいけないのだが。

あの時の「雪を食べる」という選択肢は、友達とバカ騒ぎできたあの頃だけの特別なものなのかもしれない。